相続税申告をする際には、「被相続人の略歴書」を参考資料として添付して税務署に提出します。
被相続人の略歴書には、亡くなった方の出身地、職歴、入院履歴など、いわゆるプロフィールを記入します。
このプロフィールを相続税申告書に参考資料として税務署も確認することになります。
では、この略歴書は何を、何のために記載しているのでしょうか?
出身地から特定する財産
被相続人の略歴書には、被相続人の出身地を記載します。
例えば、出身地が関東や海外であれば、その地域の不動産などの財産を所有している可能性があります。
最終学歴・職歴を記載する
学歴と財産額は比例しないものの、学歴が高い方が相対的に稼いでいる人も多い印象があるのでしょう。
また、職歴を把握することで財産形成しやすい職場環境かどうかも把握することができます。
例えば、全く職歴がないにも関わらず、多額の財産を所有している場合には、少し違和感がありませんか?
親族からの相続によって財産形成したのか、もしくは、贈与によって財産をもらっているのか?という点を調査するきっかけになります。
住所の移転状況も書く
住所の移転履歴も財産内容を推測する1つの指標になります。
必ずしも住所と財産内容はイコールではありませんが、戸建てばかりのベッドタウン(住宅街)に長年住んでいる場合は、自宅不動産を所有している可能性があります。
また、海外に長年住んでおり、金融関係の職業だった場合には、海外に金融資産(株式や投資信託など)を所有しているかもしれません。
入院等の履歴から判定
入院等の履歴を見ることで、医療費がどの程度かかりそうか?を把握することができます。
大病や入院を繰り返していた場合には、それなりの金銭的負担があってもおかしくありません。
一方で、全く入院歴もなく、大きな病気もしてないにも関わらず、毎月100万円を超えるような医療費がかかっていれば、それは異常値として理由を聞かれる可能性もあります。
以上のように、税務署側は様々な観点から、被相続人の相続財産の金額や内容を推測します。
税務署は色んな角度から財産内容を調査する
今回紹介した「被相続人の略歴書」についても、その一部でしかありません。
税務署側からは、多面的な角度から総合的に判断した結果、財産内容に違和感がないかどうか?はしっかりとチェックされていると思っておいた方が良いでしょう。
もちろん、知られたくないからといって、隠そうとしていると余計に怪しいので、正直に情報を記載した上で、信頼性のある相続税申告を行うことをおすすめします。
とはいえ、相続税は税金の中でも特殊な税目ですので、税理士の中でも専門性の強い分野になります。
ぜひ信頼できる税理士を見つけた上で、申告をお任せするようにしましょう。
身近に税理士がいない場合には、お気軽にご相談くださいね。