相続が起きた後、財産を分ける話をする前に、まずは遺言書があるかどうかを確認しましょう。
遺言書がある場合には、基本的に遺言書の内容どおりに財産(遺産)を分けることになります。
遺言書がない場合には、「遺産分割協議書」といった書面を作成し、法定相続人(※)間の話し合いで財産の分け方を決めます。
(※)法定相続人とは?
亡くなった人の財産を取得できる権利がある人は民法で決まっています。民法という法律で決まっている人(法的に財産を取得する権利のある人)を「法定相続人」といいます。
参考サイト:国税庁HP「No.4132 相続人の範囲と法定相続分」
また、故人が亡くなった時点で一定額以上の財産を所有していた場合には、相続税という税金がかかります。
相続税がかからなかったとしても遺産分割は当然必要ですが、特に相続税がかかる場合には、将来の二次相続も意識した遺産分割を考えることが大切です。
二次相続とは?
二次相続とは、その名のとおり、2人目の相続を指します。
例えば、お父さんが亡くなった後にお母さんが亡くなった場合、お父さんの相続を一次相続、お母さんの相続を二次相続と呼びます。
一次相続と二次相続のどっちを優先するか?
一次相続と二次相続をトータルで考えることは、相続税の負担を軽減することにつながります。
配偶者の方は、最大1.6億円までの財産を無税で相続することができます。
しかし、すべての財産を配偶者が相続してしまうことで、配偶者の二次相続時(配偶者自身が亡くなった時)に相続税が大幅に増加してしまう恐れがあります。
多くの場合、夫婦の年齢は近いことが多いです。
結果として相続が起こる時期もそう離れていない場合が多いでしょう(あくまで一般論ですが)。
一次相続で出来るだけ税金を払いたくない場合には、配偶者が多く財産を承継すれば良いですが、二次相続の相続税負担が重くなる可能性があります。
一方で、二次相続で税負担を少なくしたい場合には、一次相続で多少の相続税負担をしておくことが賢い選択かもしれません。
トータルの税負担を意識する
相続税を考える場合には、一次相続と二次相続をあわせたトータルの税負担を意識することが大切です。
各人の財産背景や、今後の生活など、人によって取るべき方向性が変わってきます。
相続税を考えずに遺産相続を行うと3代で貧乏になる、とも言われているぐらいです。
相続税の税負担を把握した上で、適切な対策を行うためにも、まずは相続税に強い税理士に相談することをおすすめします。